モンテッソーリ教育とは?内容や教育理念、おまちゃと教具を紹介

子供の趣味、学習教材

海外で流行っているモンテッソーリ教育法ですが、子どもは自由に学習内容を決めて、ゲーム感覚で学んでいくといった特徴がよく知られているのと思います。初めてモンテッソーリ教室を見学する人なら、子ども達はただ教具を使って自由に遊んでいるだけのではにかというふうに見えるかもしれませんが、実際には教室では子どもの発達を促す教具のみが揃っていて、その使い方などについて、もちろんルールが決まっています。

モンテッソーリ教育の親であるマリア・モンテッソーリは、自分の教育法を「準備された環境の中で子どもが自発的に学習していくシステム」と呼んでいました。

モンテッソーリ教育が100年以上前から存在していますが、長い間に利用されていませんでした。現在は海外で非常に人気ではありますが、近年日本でもモンテッソーリ教室やモンテッソーリ幼稚園が少し目立つようになりました。今回はそもそもモンテッソーリ教育とは何なのかというところからスタートして、その歴史や特徴、教育理念や教具について説明したいと思います。

モンテッソーリ教育の歴史

モンテッソーリ教育はイタリアの心理学者・教師・医者であったマリア・モンテッソーリによって考案されました。1896年からマリア・モンテッソーリが精神病院で勤めていて、知的障害児の発達を観察するうちに、どの子どもでも発達を促す環境を必要としていると考え、そのような環境を自分で開発しようと決めました。

そこで1907年1月6日にイタリアのローマ市で「子どもの家」という保育施設を設立し、彼女が作成した教育システムを実施し始めました。試行錯誤を繰り返しながら、マリア・モンテッソーリが子どもの認知的興味を刺激する教具及びその教具を利用している独特な教育法を完成させました。

1909年から、マリア・モンテッソーリの本が世界中に広がり始め、モンテッソーリブームが起きました。当時は多くの幼稚園がモンテッソー教育法を応用し始めました。第1次・第2次世界大戦の間、多くの教育機関が閉まりましたが、一時的に忘れられた教育法が戦後に第2次ブームを迎えました。

モンテッソーリ教育の内容

モンテッソ―リ教育の内容モンテッソーリ教育は、子どもの運動能力、感情(視覚、聴覚、味覚、匂い、触覚)の発達、そしてやはり子どもの自発的に学ぶ力を重視しています。言い方を変えると、モンテッソーリ教育法は子どもの自己開発を促す教育法です。

マリア・モンテッソーリは、子どもは自発的に新しいことを学ぶ力を持ち、親や先生の役割は「指導させる」のではなく、その自発的に学ぶ力を正しく見守り、「手伝う」ことだと考えていました。決まっている教育プログラムがなく、用意された教育環境の中で、子どもは自由に教具を利用し、自由に遊んだり、学んだりします。

モンテッソーリ教育の重要な理念は 「ひとりでするのを手伝ってね」です。大人は子どもが何に興味を持っているのかを把握し、適切な学習環境を提供し、子どもが自由に選んだ教具の使い方だけを軽く指導します。つまり、子どもは自発的に学ぼうとしている意欲をサポートするのは教員の役割です。

モンテッソーリ教室では、どんな小さな子どもでも独立して、自由に成長し、社会の中で自分の場所を見つける方法を自然に学んでいくことが重視されています。

モンテッソーリ教育の基本理念

モンテッソ―リ教育の基本的な教育理念は以下の通りです。

  • 子どもは特別に整えられた教育環境で活動している
  • 思考・行動は自由。子どもの自由選択が尊敬されている
  • 子ども自身は様々な決断を下すべき
  • 教員の役割は子どもの興味を把握し促すこと
  • 自分より年下の子どもに手伝うこと
  • 子どもの活動批判は禁止されている
  • 子どもの間違いが許されている

このように、モンテッソーリ教育は子どもの自発的な学習を促すことを目的とします。特別に整えられた教育環境を提供することによって子どもを刺激させることが重視されています。教員の役割は子どもを指導するメンターのではなく、お手伝いをするアシスタントであることは、モンテッソ―リ教育の主な特徴であると思います。教員は子どもが興味を持つように働きかけていますが、学ぶプロセスを子もどに任せています。

学習中に間違ったり、失敗したりすることも許されています。自分自身の間違いで学んでいくことが重視されているからです。また、年齢によるクラス分けがないため、子ども同士の助け合いは重要です。

モンテッソーリ教育の要素

モンテッソーリ教育法を実現するには、必要な要素は以下の通りです。順番で詳しく説明していきます。

  • モンテッソーリ教師
  • 整えられた教育環境
  • モンテッソーリ教具

モンテッソーリ教師

ここまで読んだ方は、子どもは自由に遊んでいるだけのではないか、教員は特に何もしていないのではないかと思った人がいるかもしれませんが、実は違います。モンテッソーリ教師はモンテッソーリ教育のメリットをいかすための知識や経験を持たなければなりません。正しい教育環境を整えることやちょうどいい程度子どもを指導することは教員の主な役割になりますが、決して簡単ではありません。

教員は上からの目線になってはいけません。また、自分の知識そのものを伝えてはいけません。子どもの興味を識別するために子どもの行動を注意深く観察します。また、子どもが自分で選んだ教具を自由に利用させながら、様々な発達につながる課題を与えます。

モンテッソーリ教師の仕事を以下のようにまとめることができます。最初に、子どもはどんな教具を選ぶか、どの活動に興味を示すかを観察します。子どもは迷うっている場合、興味を待たせるように軽く働きかける。必要な限り子どもに教具の役割や利用方法を教えます。その後子どもは自由に遊んだり学んだりします。間違ってもかまいません。子どもは間違っているたびに自分で選んだ教具の新しい使用方法を発見していると考えられています。教員の主な役割は、子どもの発見を見守ることです。

整えられた教育環境

モンテッソーリ教育の中で、教育環境は大事な役割を果たしています。言い方を変えると、整えられた教育環境がないとモンテッソーリ教育の実施は不可能です。正しく準備された環境は、子ども自己発達や自己学習を促します。

子ども達は周りの世界を自発的に調べようとしています。様々なものを触りたく、味や匂いを確かめたいのは自然です。正しく整えられた教育環境とは、このような子どもの物事を調べたり、実感したりするニーズを満たす環境です。

モンテッソーリ教育の環境は基本的に5つのゾーンから出来上がっています。

日常生活教育ゾーン

ここでは子ども用サイズの洗面台やキッチンなど、日常生活と関連しているものが置かれていて、子どもは自分自身の面倒を見る方法を学びます。

言語教育ゾーン

語彙を文字を学ぶための教具が多く、子どもは語彙力を増やし、文字や音声に慣れることが可能です。こちらのゾーンの大事な目的は、子どもに文字の書き方や読み方だけではなく、文章の構成や文法を早い段階から学習させることです。

感覚教育ゾーン

こちらのゾーンで子どもは、物の形、色、大きさなどを学びます。

文化教育ゾーン

植物、動物、地理、物理の基本を学び、外の世界と触れ合うための教具が揃っているゾーンになります。例えば、世界地図や植物・動物のパズルなどがあります。

算数教育ゾーン

算数の基礎を覚えるためのスペースになります。

モンテッソーリ教具

モンテッソ―リ教材の使い方すでに述べた通り、モンテッソーリ教育の場合、教育環境は大事です。しかし、教具自体に関してはどのようなものでも利用できることが多いです。教具としては、洗面器、水、茶こし、ナプキン、シリアル、スプーンまたはスポンジなどは使えます。一般的なものを教具として利用できるのは特徴的ですが、もちろん使い方にはルールがあって、ゾーンごとに使えるものが異なります。正しくものを集めて教育環境を準備するのもモンテッソーリ教師の大事な役割です。

また、マリア・モンテッソーリが考えた独自の教具もあります。音感ベル、味覚びん、触覚板、重量板、数の棒などがあげられます。

モンテッソーリ教育の場合、他の教育法よりも教員の直接的な関わりが少ないため、教具は全て子ども目線で作られています。特に説明を受けなくても、子どもは使い方を理解し、間違った場合は自分で間違いを見つけて自分で直すことは大事です。おかげで子どもは間違いを怖がらず学習し続けることが可能になります。

教具の選び方は自由と述べましたが、使い方についていくつかのルールがあります。例えば、一回で使いるのは一つの教具のみで、作業と片づけが終わったときのみ、子どもは新しい教具を選べます。作業中に他の子どもに自分の教具を渡してはいけません。また、友達が自分のやりたい教具を使っている場合待たなければいけません。

まとめ

以上はモンテッソーリ教育の理念や基礎について説明しました。

早期教育法であると勘違いしている人がいると思いますが、実際にモンテッソーリ教育は子どもの自然な発達を応援している教育法であることを理解する必要があります。子どもは自然に新しいことを学習する意欲を持ち、モンテッソーリ教育はその学習意欲をサポートすることを目的とします。

そのため、教員は上の目線から何かを教える立場ではなく、子どもの自発的な発見を見守り、お手伝いする役割を果たしています。もちろん、他の教育法と同様に、モンテッソーリ教育は強みがあれば弱みもあります。次回はモンテッソーリ教育のメリットとデメリットをまとめたいと思います。